研究概要


当研究室では、ストックホルム条約で製造・使用が禁止されている残留性有機汚染物質(POPs)を含めた、ハロゲン化多環芳香族炭化水素類、臭素系・リン系難燃剤、フッ素系界面活性剤、農薬、重金属など幅広い環境汚染物質を対象として、GC-MS/MS、LC-MS/MS、LC-Orbitrap-MS、燃焼イオンクロマトなど最先端分析機器を用いた様々な環境媒体中にごく微量で存在する化学物質の高感度・高精度分析法の開発を行っています。開発した環境分析技術を用いて、大気(室内)・水・生物・食物などの化学物質の汚染実態調査を行い、統計解析やシミュレーション解析を組み合わせることで化学物質の環境動態解明や発生源解明に関する研究を展開しています。これら化学物質の汚染実態や環境動態研究の結果から、ヒトへの主要な曝露経路や曝露量を高精度に評価し、ヒト健康に関する化学物質リスクの定量的な評価を最終目的にしています。また、以上の研究成果を基にした効率的なリスク低減技術の開発や、関連企業(Thermo Fisher Scientific、柴田科学(株)等)や海外研究機関(中国、バングラデシュ等)との共同研究にも積極的に取り組んでいます。